黒潮、8年ぶり「大蛇行」か…高潮被害に注意

気象庁は6日、日本の南岸を流れる黒潮が東海沖で南に大きく蛇行していると発表した。同庁によると、今後さらに南下し、2か月ほど継続する見込みで、8年ぶりの「大蛇行」となる可能性が出てきた。
 同庁が海洋気象観測船や人工衛星のデータで確認したところ、黒潮は7月下旬から紀伊半島付近で蛇行し始めた。南下すると、船舶が燃費良く運航できるルートが変わるほか、本州南岸と黒潮の間に冷水域が発生し、カツオなどの回遊魚の漁場に影響が出るとされる。また、東海から関東の沿岸で潮位が上昇し、1年で最も潮位が高くなる夏から秋に重なると沿岸の低地で高潮被害に注意が必要になる。
 黒潮が東海沖で北緯32度以南まで南下し、折り返して関東沿岸に近づく状態が1か月以上続くと「大蛇行」と呼ばれる。前回の大蛇行は2004年7月に発生して1年2か月ほど続き、独立行政法人「水産総合研究センター」によると、05年にイワシなどの漁獲量が減少する一因になったという。

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