『ニューズウィーク日本版』(11・12)、10ページの大特集「汚染水の真実」、たびたび書くが、こういう記事がなぜ日本の新聞や週刊誌で報じられないのか。
執筆者のひとり、リード・タナカ氏は米海軍で25年以上にわたって原子力対策を担当し、福島第1原発の事故直後には在日米軍司令官および駐日米国大使の放射能対策顧問を務めたというが、冷静に汚染水の現実を見つめ、有効な対策を提案、実に説得力がある。
微妙かつ複雑な問題なので、詳細は記事を読んでいただくしかないが、たとえば貯蔵タンクの漏水について。
〈今年に入って、程度はさまざまだがタンクの漏水が何度も見つかっている。そのたびに大きく報道されているが、このようなタンクやパイプの漏れであれば、その影響はごく限られたものと考えていい〉
たとえば放出基準について。
〈政府は国民を安心させるために厳しい環境基準を設定したが、結果として期待値を非現実的なレベルにまで上げることになった〉
〈現状では、飲料水と同じくらい厳しい基準を満たさないと汚染水を放出することは許されない。
日本の飲料水のセシウムの安全基準は、1リットルにつき10ベクレル以下となっている。ところが、福島の地下水を海に放出するためには、セシウムの量が1リットル当たり1ベクレル以下でなくてはならない。(中略)
ちなみに、平均的な人間の尿に含まれるカリウムからの自然放射能の量は、1リットル当たり約50ベクレルだ(しかもカリウムに放出基準はない)〉
ぜひ多くの人に読んでほしい記事だ。
それにひきかえ他の週刊誌は情けない。相変わらず、みのもんた。
『週刊朝日』(11・15)『サンデー毎日』(11・17)がそろって長時間の「激白」。『週刊現代』(11・16)が遅ればせの、みの叩(たた)き。ほんとにもういい。
『週刊文春』『週刊新潮』(ともに11月14日号)がトップで揃(そろ)って山本太郎。
こんな男に年間約5千万円の税金が使われる。選んだ66万都民がバカだったということだ。
(『WiLL』編集長)