1等米、宮城69% 東北で最悪24ポイント下落

農林水産省が20日発表した2010年産新米、うるち玄米の1等米比率(9月末現在)は、東北6県平均で75.6%となり、前年同期より19.4ポイント下がった。猛暑によってイネに高温障害が発生し、コメ粒がそろわず、白く濁るなど品質が低下した。コメ余りにより全農が前金として支払う概算金が大幅に引き下げられる中、品質の劣るコメを中心に低い価格水準が続く可能性がある。
 東北各県の1~3等米の比率は図の通り。宮城の1等米は69.2%と7割を割り込み、09年の同じ時期と比較した下落幅は東北最大の24.9ポイントとなった。ほか5県は青森22.2ポイント、岩手3.8ポイント、秋田21.0ポイント、山形19.5ポイント、福島13.5ポイント落ち込んだ。
 主な産地と銘柄の1等米比率は、青森産つがるロマン65.5%、岩手産ひとめぼれ92.0%、宮城産ひとめぼれ70.6%、秋田産あきたこまち75.7%、山形産はえぬき78.1%、福島産ひとめぼれ82.4%だった。
 東北農政局によると、2等以下に格付けされた理由で最も多いのは、青いコメが混ざったり、粒ぞろいが悪かったりするケースで29.1%を占めた。コメの中心や端が白く濁ったために1等米に格付けされなかったものは26.1%だった。いずれも今夏の猛暑による高温障害とみられる。
 9月末までに東北で検査を終えた新米は35万1389トン。暑さで生育が進んだため、稲刈りや出荷も早まり、検査数量は09年同期の3倍に上った。全体の2割程度が検査を終えたとみられる。

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