新型コロナウイルス対策として国民に1人10万円を配る国の「特別定額給付金」を巡り、宮城県内の世帯に支給された割合は、事業開始から約1カ月となる1日時点で2割弱にとどまることが河北新報社の調べで分かった。支給率は5市町で9割を超える一方、109万都市の仙台市は1%に満たない。人口規模で事務量に差が生じるため、ばらつきが出る傾向にあるが、創意工夫で迅速な支給に取り組む自治体もある。
給付金を盛り込んだ2020年度第1次補正予算が4月30日に成立し、市町村の支給業務は全国一斉にスタートした。
県全体の対象世帯101万3925世帯のうち世帯人数分が6月1日時点で支給されたのは17万9350世帯(17.7%)だった。
県内35市町村の支給率は表の通り。人口が県内最少で628世帯が対象の七ケ宿町が98.1%でトップ。海外居住者らを除き、ほぼ支払いが終わった。
県内で支給率が低いのは仙台市の0.2%。52万1900世帯のうち支給済みは1255世帯で、8月下旬までに完了させる方針。
14市の支給率は12.1%。93.0%に達した富谷市は対策チームの設置、申請書の自前での発送などが奏功した。東松島市(89.7%)、名取市(82.7%)と続いた。
21町村の支給率は53.3%。七ケ宿町、利府町(94.2%)、蔵王町(92.1%)、大郷町(91.5%)が上位を占めた。
[特別定額給付金]新型コロナウイルスの感染拡大を受けた国の緊急経済対策の柱。家計支援を目的に、国民1人当たり10万円を配る。給付総額と市区町村の事務費を合わせた事業費は12兆8803億円。