100キロを走破する「ウルトラマラソン」への関心が東北でも高まっている。東京マラソンや大阪マラソンなど都市部で開催されるフルマラソンの人気が沸騰する中、走る楽しさに目覚め、より困難なレースに挑戦したいと考えるランナーが増えているようだ。岩手県と福島県で6月、秋田県で9月に大会がある。
6月9日に開かれる、いわて銀河100キロチャレンジマラソンは岩手県北上市から同県雫石町を目指す。9回目の開催で、申し込みが初めて定員の1200人に達した。大会事務局は「普通の距離では満足できない人が増えている。ウルトラもブームになるのでは」と期待する。
福島の猪苗代湖周辺をコースとする“風の谷”ウルトラマラソンは、第5回大会が6月15日に開かれる。東日本大震災のため11年は中止し、昨年は70キロで開催したが、ことしは100キロが復活する。
湖畔から高原まで変化に富んだコースが売り物。知名度がまだ低く定員の130人に達していない。竹田茂男事務局長(71)は「苦しみの中に楽しさがある。距離が長い分だけ達成感は大きい」とPRする。
秋田内陸リゾートカップ100キロチャレンジマラソンは東北の3大会の中では老舗で、9月22日に23回目の大会を迎える。秋田県仙北市から同県北秋田市までのコースに水分や食料を提供するエイドステーションが20カ所あり、住民がキノコ汁や漬物を振る舞う。
「いわて銀河」と「風の谷」は制限時間14時間だが「秋田内陸」は13時間と完走の条件がやや厳しい。昨年は1188人が挑戦し、完走率は約6割。普通のマラソン経験を積み重ねても、100キロ走破は容易ではない。
これまで5回挑戦して4回完走した秋田市の会社員川辺昌子さん(49)は「前に進みたい、ゴールしたいと強く思えるかどうかが重要」と話す。
ランナー同士が世間話をしたり、励まし合ったりするのも魅力だ。参加した3回、いずれも完走した秋田市の公務員佐藤雅敬さん(41)は「仲間意識が自然と芽生える。ゴールした後の感動もウルトラ級」と語る。
各大会の連絡先は、「いわて銀河」が019(614)3830、「風の谷」が024(944)6594、「秋田内陸」が0186(62)1811。