100年に1度? 横須賀で竹開花、「大変まれなケース」

100年に1度咲くとも言われる竹の花が、横須賀市根岸町に住む写真愛好家・西澤勝さん(70)の自宅で、先週から咲き始めた。専門家は竹の開花を「大変まれなケース。開花後に種子が実り、竹全体は一斉に枯れると思う」としており、西澤さん夫妻は興味深く様子を見守っている。

 竹は、茎が直径1~1・5センチ程度と細く、1メートル50~70センチの高さに切りそろえられている。15年前に西澤さんが娘からプレゼントされ、庭に穴を掘り、鉢のまま植えた。

 西澤さんによると、これまでは冬でも青々としていたが、半年ほど前から葉や茎が茶色がかってきた。弱ってきたと思い、毎日のように水やりを続けていたところ、今月12日朝、見たことのない細かいものが葉先に生えているのに気付き、日を追うごとに竹全体に広がった。

 植物好きの妻が図鑑の写真を覚えていて、竹の花と分かった。写真をフェイスブックで公開したところ、「珍しい」「初めて見た」と反響が広がった。

 市自然・人文博物館(同市深田台)の等々力政彦学芸員は「竹の花に間違いない。全体的に花が咲いているということは、一斉に枯死する可能性が高い」と指摘。「竹の開花は周期が長いこともあり、ほとんど分かっていない。数十年から100年ほどに1度の開花ではないか」と推測する。

 西澤さん方の竹は、茎の細さや節周辺の葉の特徴から、観賞用の品種で、タケ亜科トウチク属のトウチクとみられる。等々力学芸員は「たいへんまれなケース。観察記録を残すことをぜひお勧めしたい」とアドバイスする。

 竹は地下茎でつながっており、他の地方では開花後に竹林全体が一斉に枯れる事例もみられる。西澤さんは「今まで強い思い入れがあったわけではないが、懸命に子孫を残そうとする竹の姿にいろいろと考えさせられる。花を咲かせるという秘めた能力が、自らが衰えた時に初めて発揮される点もとても不思議」と話している。

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