宮城県が17日発表した2011年度の県発注建設工事の入札結果によると、東日本大震災に伴う緊急工事の激増で随意契約の総発注額は408億5600万円に上り、前年度の83.4倍に達した。建設工事の総件数は2455件(前年度比48.7%増)。漁港や港湾の復旧など大型工事が多く、落札額は前年度比2.8倍の1397億3700万円に上った。
随意契約件数は前年度の4倍の1232件。主な工事は震災直後、津波で通行不能となった道路の応急復旧工事など。県が県建設業協会など業界団体と結ぶ防災協定に基づく緊急契約が大半を占めた。予定価格に占める契約額の割合は98.9%で、前年度を7.9ポイント上回った。
一般競争入札は992件で前年度比71件減少した。落札額は964億4800万円で前年度の2倍に膨らんだ。落札率は92.0%で5.8ポイント上昇。県は震災後の人件費や資材価格の高騰が影響したとみている。
一般競争入札で県内業者が受注した割合は70.4%。前年度比18.0ポイント減と大幅に下落した。落札額は562億3000万円で全体の58.3%にとどまった。入札不調の続発を受け、昨年12月末に入札の地域要件を緩和し、県外業者にも門戸を広げたことなどが要因とみられる。
県契約課の担当者は「本年度以降は平常化に向かうとみられるが、県予算が通常の倍になっており金額や件数は増えるだろう」と説明した。