日本フードサービス協会が27日発表した11月の外食売上高(新規店含む全店ベース)は、前年同月比0.2%増となり、5カ月連続で前年同月を上回った。昨年に比べ日曜・祭日が1日少ないハンデはあったが、客数が1.5%増となり、1.3%減となった客単価の減少分を補った形だ。ただ11月までの売上高累計は、前年をやや下回る水準とみられ、12月の動向次第では、2年連続年間売上高の前年割れの事態もありそうだ。
業態別では「ファストフード」が0.3%減。客数が1.8%増と伸びたが、客単価は2.1%減と落ち込んだ。中でも「麺類」が12.8%増と牽引した。牛丼チェーンを含む「和風」は0.3%増。客数が7.0%増ながら客単価は7.3%減だった。その他、「ファミリーレストラン」が0.9%増、「パブ・居酒屋」は1.1%増。単価が比較的高い「ディナーレストラン」は0.2%減、「喫茶」は0.8%減だった。
同協会では「日祭日が1日少ない中で、全体としてプラスを確保できたのは大きい」と指摘する。好天にも恵まれ、客足が伸びた上、客単価も減少幅を前月から縮小させたことが寄与した。また「ファミリーレストランやパブ・居酒屋業態が数字を戻してきていることも大きい」と説明している。
とはいえ、客単価が前年を下回っていることも事実で、客単価の前年割れは、2009年6月以降18カ月連続となった。コンビニエンスストア業界が弁当やスイーツなどの高単価商品を打ち出して、客単価を上げているのとは対照的に、牛丼チェーンの値下げセールに代表される外食のデフレ傾向は続いている。
猛暑効果が出た7月以降、外食売上高は前年同月を上回って推移しているが、同協会によると、1~11月までの累計売上高では前年をやや下回っているという。昨年は03年以来、6年ぶりの前年割れとなったが、データの残る1994年以降で2年連続で前年を割ったことはない。12月の動向次第では、外食産業の厳しさを裏付けることにもなりそうだ。