2度被災の生産組合 手軽「乾燥なめこ」で再起

 宮城県栗原市の築館なめこ生産組合(菅原進組合長)は簡単に幅広い料理に使える「乾燥なめこ」シリーズを開発し、販売を始めた。香り高く、シャキシャキ感のある歯応えが特徴だ。2度の震災で被災し、原発事故による風評被害を受けた同組合の初の加工商品。全国的にも、乾燥ナメコの商品化例はあまりないという。
 夏場に消費が落ちるナメコの安定販売と茎の有効活用、流通利便性などが目的。猛暑だった2010年夏、価格暴落で屋外に放置していたナメコの茎を炊き込みご飯にしたら、思いの外おいしかったことから、開発が本格化した。
 シリーズは、めんたい乾燥なめこ(傘付き、30グラム、希望小売価格・税込み550円)や国産ネギ・三陸ワカメ入りの「なめこ屋さんのいつでもなめこ」(25グラム、398円)「なめこ屋さんの甘辛煮パパの味」(120グラム、398円)など5種。30グラムでも、生に換算すると450グラムに相当する。
 放射能検査済みの秋田産おが粉の菌床を使い、屋内で栽培する。乾燥法は特許出願中だ。
 水戻し不要で、汁物や麺類の場合、そのまま水に入れ、5分程度煮るだけ。乾燥で、特有のぬめりはなくなるものの、有効成分が生より増える可能性もあるとされ、薬品会社が調査中という。
 通販のほか、酒販店やまやの宮城、岩手、秋田の一部店舗、栗原市内のAコープや観光施設、直売所などで販売中。
 菅原仁専務(45)は「2度の震災で栽培施設が壊れ、大量の菌床がだめになり、施設も一部閉鎖した。ナメコのイメージを変えて業績回復につなげたい」と話している。
 連絡先は同組合0228(23)6320。

タイトルとURLをコピーしました