20年東京五輪 「復興貢献せず」5割超 仙台市民調査

 2020年の東京五輪について東日本リサーチセンター(仙台市)が仙台市民を対象に意識調査したところ、50%超が「東日本大震災の被災地復興につながらない」と考えていることが分かった。一方で、開催自体には75%が賛成しており、同社は「仙台市民は五輪の影響を冷静に見ている」と分析している。
 アンケート結果はグラフの通り。「五輪開催が復興につながるか」を尋ねると、「つながらない」と「どちらかと言えばつながらない」は合わせて54.8%に上った。「つながる」と「どちらかと言えばつながる」は計44.7%にとどまった。
 東京五輪開催の賛否では「賛成」と「どちらかと言えば賛成」の合計が74.5%。「反対」と「どちらかと言えば反対」は合わせて25.5%だった。
 東日本リサーチセンターは「五輪開催はうれしいが、復興とは別物と考えているのだろう。被災地が利用されている、という見方もあるのでは」とみている。
 五輪開催に賛成する理由(複数回答)は「日本の景気回復につながる」「将来の夢や希望が持てる」などが多かった。反対の理由は「五輪の前に被災地の復興を優先すべきだ」「福島第1原発の処理を優先すべきだ」「復興に必要な土木・建築作業員が不足する」など、復興への悪影響を懸念する声が多数を占めた。
 アンケートは10月、仙台市内の20~60代の男女計1000人に調査員が用紙を渡し、直接回収した。

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