東北経済産業局は2010年の東北経済を振り返り、代表的な話題や出来事をまとめた。アジア太平洋経済協力会議(APEC)関連会合の仙台市での開催や、自動車関連企業の相次ぐ立地などを盛り込んだ。
APECの高級実務者会合に関しては「首脳・閣僚会議に先立つ議論を深化させた。各国の参加者が地元ボランティアらと交流も深めた」と成果を強調した。
自動車産業では、間近に迫ったトヨタ自動車の完成車製造子会社、セントラル自動車(神奈川県相模原市)の宮城県大衡村への移転や、車載電池製造のプライムアースEVエナジー宮城工場(宮城県大和町)の稼働など関連産業の集積を挙げた。
東北新幹線の全線開業や、東北電力女川原発のプルサーマル計画に対する地元自治体の了承なども項目に入れた。東北経産局として農商工連携や企業立地の推進に取り組んだことも並べた。
東北の経済動向については「一部持ち直しの動きがあったが、依然厳しい」と総括した。前半はエコカー補助金制度など政策効果やアジア市場にけん引されたとして「回復の動きがみられた」と説明。後半は「円高などで厳しい状況に陥った」とした。
豊国浩治局長は「11年は経済環境が厳しい中で、東北に企業の立地が進む。何とか地元企業の事業拡大と雇用増につなげたい」と期待する。