2020年東京五輪の公式エンブレムが使用中止

2020年東京五輪の公式エンブレムが使用中止に追い込まれた問題で、大会組織委員会の対応は後手に回った。発端となったベルギーの劇場のロゴに酷 似しているとされた件では、盗作や模倣を否定。だが、インターネット上で制作者の佐野研二郎氏が手掛けたその他の作品について、多くの類似例が指摘され、 五輪エンブレムが著作権侵害という法的な問題をクリアできたとしても、「国民の理解を得られなくなった」(武藤敏郎事務総長)ことが撤回の決定打となっ た。

 

【会見詳報】五輪エンブレム、使用中止

 

ネット上の指摘は過熱する一方だった。画像の検索技術が急速に進歩し、8月28日に組織委はデザイン原案を示し独自性を主張したが、さらに類似作品が見つかり、空港での活用例の写真についても、無断流用だとの指摘がネット上にあふれた。
ベルギーの劇場ロゴが問題になった当初、組織委は事態を楽観していた。9月1日に記者会見した武藤事務総長は「デザインに独自性があるのだから、話せば分かってもらえると思った」と話したが、むしろ逆効果だった。
組織委は今後、デザインを公募し、できるだけ早く決めたいとしているが、懸念は残る。武藤氏は「また同じ問題が起きる可能性がある。(前回の東京五輪が開 催された)1964年当時はこんな状況はなかった。いろんな人の知恵を借りたい」と語ったが、妙案はまだ見えない。 (2015/09 /02-12:12)

タイトルとURLをコピーしました