20~30代自殺率、最悪…動機に生活苦

 警察庁は13日、昨年1年間の全国の自殺者3万2845人の動機や年齢別などの調査結果を公表した。
 各年代別の人口10万人当たりに占める自殺者の割合(自殺率)は20歳代が24・1人で、30歳代も26・2人と前年に続き過去最悪を更新した。動機別では「失業」や「生活苦」が大幅に増加し、50歳代以降の「孤独感」も目立った。景気低迷や人間関係の希薄化が進み、若年層から高齢者までの幅広い世代で先行き不安が広がっている実態を示した格好だ。
 ◆12年連続3万人台◆
 昨年の自殺者は前年を596人上回り、1978年に統計を取り始めてから5番目に多く、12年連続で3万人超となった。
 遺書などから動機を特定できたのは2万4434人。52項目(複数選択可)に分けられた動機のうち、健康問題が1万5867人と最多で、中でも「うつ病」は6949人で全項目中トップ。2番目に多かった経済・生活問題を動機とした8377人の分析では、「失業」が前年より65・3%増の1071人。「就職失敗」354人(前年比39・9%増)、「生活苦」1731人(34・3%増)も含めると全体の約4割を占め、雇用や家計の深刻さもうかがえる。
 年代別では、50歳代が最多の6491人(2・0%増)と全体の19・8%を占め、60歳代5958人(3・9%増)、40歳代5261人(5・9%増)となり、30歳代の4794人は99年より997人増え、20歳代の3470人(0・9%増)とともに自殺率で過去最悪を更新した。
 50歳代以降の動機は「孤独感」が前年より20・2%多い440人。20~30歳代の若年層では、「家族からのしつけ・ 叱責 ( しっせき ) 」が63人(70・3%増)、「仕事疲れ」311人(19・2%増)が前年より大幅に増加している。職業別では、無職者1万8722人が全体の57%を占めた。「年金・雇用保険等生活者」は前年より14・8%増の6028人で、これに失業者2341人が続いた。また、自殺者のうち小中高校生は計306人と前年並みで、「いじめ」は7人だった。

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