3カ所方式の三角形をしていた一般家庭の調理コンロ位置を、あっさり横一列に3つ並べた。たったこれだけの“変化”だが、次々に効果を生み、快適なキッチン回りに生まれ変わった。パナソニック電工の調理機器「トリプルワイド」。
「プロジェクトがスタートしたのは平成17年6月ですが、主婦モニター、アンケートを繰り返し、『忙しい主婦にもテキパキ料理ができるキッチン』という方向性を決めました」と、同社住建新事業商品企画部の西田美佐子さん(43)。
3つ横並びにすることによる効果とは何か。
(1)複数人での料理が可能となった。
(2)三角形の頂点にあたる一番奥のコンロがなくなったことで奥行きを使えるようになり、体とコンロの間のスペースを調理台としても使えるように。
(3)このスペースの誕生でフライパンの取っ手が体に当たらなくなり、軽快な動きが実現。
(4)一番奥のコンロを使った場合、手前の火、湯気で熱い思いをしたが、これがなくなった。
(5)小さい子供でも、小学生くらいからなら、安心してお手伝いをできるようになった。
三角を横一列にするだけの発想の転換が、主婦の悩みだったキッチンでのさまざまな動作を楽にしている。
20年9月に「トリプルワイドIH」が発売され、今年度は昨年度に比べ2倍の売り上げが見込まれている。また、昨年12月には「トリプルワイドガス」も発売された。
「子育て中でも安心、料理作業がしやすい、掃除も楽、と若い世代に特に人気ですね」とは、大阪府泉佐野市のリフォーム店「リファイン熊取駅前」の千盤浩巳(ちば・ひろし)社長。
西田さんは「おかげさまでショールームでの提案件数は着実に伸びています。テキパキと効率的に家事をこなせる点が受け入れられたのだと思います。あなたの家はまだトリプルワイドじゃないの! と世間で言われるようになりたいですね」とこの商品への意気込みを語っている。(小林忍)