宮城県議会11月定例会は14日、本会議を開き、県が新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を行う大規模会場の運営費など57億5366万円を増額する2021年度一般会計補正予算案を追加提出した。続けて開かれた予算特別委員会の総括質疑で、村井嘉浩知事は来年2月までに県に配分されるワクチンの4割以上が米モデルナ製となる見通しを明らかにした。
県は20日、仙台市内で大規模会場を再開し、年明けからは市町村の個別・集団接種が本格化する。来年3月までの対象者のうち、1、2回目に米ファイザー製を接種した人が9割を占めるため、一定数がファイザーの後にモデルナを打つ「交差接種」となる見込み。村井知事は「交差接種の円滑な実施に向け、県民の不安が解消されるよう周知に努めたい」と答弁した。現時点で追加接種は2回目接種から8カ月以上経過した18歳以上が対象で、序盤は医療従事者が中心となる。
伊藤哲也保健福祉部長は、65歳以上の高齢者への接種が来年1月中旬、一般の接種が同3月中旬に始まるとの見通しを示した。
追加の補正予算案には、ワクチン2回接種済証か検査の陰性証明で行動制限を緩和する「ワクチン・検査パッケージ」促進のための検査費24億7100万円、灯油代を助成する市町村への支援といった原油価格高騰対策費などの生活支援費計約5億8200万円などが盛り込まれた。