3年目のクールビズは「かっちり」 見た目きちんと、でも涼しく

ゴールデンウイークを前に、百貨店では3年目を迎えるクールビズ商戦が始まっている。ノーネクタイ、ノー背広などラフなイメージが強かったが、今年は「見た目はきちんと。でも涼しい」という「かっちりクールビズ」が提案されている。

 「ラフにするのではなく、クールビズでもきちんと見せたい人は多い。今年はネクタイありのスタイルをお勧めしています」 三越日本橋店(東京都中央区)の紳士服売り場に早くも並ぶクールビズ向け商品で今年目立つのはニットタイだ。素材は粗く編まれたニットで、サマーセーターのようなイメージで涼しげ。

 「タイを外せないという職場は結構多いようでお勧めです」と、同店紳士用品部の岡田洋一さんは話す。

 ノータイスタイルなら「ただネクタイを外した印象にならないように、カフスやポケットチーフを加えると締まります」と言う。キザに見られがちだったポケットチーフもノータイの胸に差すとちょっと改まる。ブランド品が主流だったカフスも、今はガラスやゴム製など2000円台から手に入る。

 25日からクールビズ特設売り場を置くのは日本橋高島屋(同)。背広を脱いだときに目立つシャツに力を入れる。襟と袖口が白いクレリックシャツや、襟元を開けて着ることを想定し、一枚仕立てになったイタリアンカラーシャツなどが目を引く。

 今年のお勧めを紳士用品売り場セールスリーダーの松井俊樹さんは「色は明るいパープル。紺やグレー、ベージュなど意外にいろんなジャケットに合う。クレリックシャツはもともと僧侶が着たものでフォーマルさが漂いますよ」と説明する。

 クールビズが果たしたもう一つの役割は、日本人男性の職場ファッションの広がり。「奥さんに任せきりにせず、自分で見に来る男性がぐっと増えた」と百貨店関係者は口をそろえる。クールビズ3年目ともなれば、涼しさプラス装いのセンス上級者がもっと見られそうだ。(滝川麻衣子)

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