東日本大震災の津波で被災した宮城県内の家屋や農地の片付けをしてきた支援グループ「スコップ団」が、震災で夫を失った女性の思いを形にしようと、来年3月10日に仙台市泉区の泉ケ岳スキー場で花火を打ち上げる。題して「天国にぶっ放せ!」。2万発の打ち上げを目標に、資金の協力を呼び掛けている。
きっかけは団長の平了さん(33)=仙台市青葉区=が4月ごろ、仙台市内の避難所で女性と出会ったこと。震災当日、女性は夫とけんかし、仲直りできないまま夫は津波の犠牲になったという。「元気に生きていると、夫に伝えたい」という女性の思いを何らかの方法でかなえられないかと考え、花火の打ち上げを企画した。
「震災前日の3月10日は心から感謝すべき日だった」と平さん。それぞれが「日常」を送っていた震災前日が今後ずっと続くようにとの願いを込め、この日を打ち上げに選んだ。
スコップ団の活動にはこれまで宮城県内外の延べ約1500人が参加。200件以上の要請を受け、同県沿岸部で家や畑をきれいにしてきた。ただ、仕事を抱えながら活動する団員がほとんどで、打ち上げを機に活動を休止する予定だ。
「供養のお供えとして、雲がかかっていても亡くなった人が見られるぐらい花火を打ち上げたい」と平さんは話す。
支援金の振込先はスコップ団のホームページで確認できる。メールの連絡先はスコップ団事務局 schop-dan_2011@mail.goo.ne.jp