3Dゲーム ライバルはスマートフォン!?

 体の動きでテレビゲームを操作、3D(立体)映像も楽しめます-。世界最大級の家庭用ゲーム機見本市「E3」が15日、米ロサンゼルスで開幕し、話題の3D映像や体の動きをゲーム操作に反映させる「体感ゲーム」の競演が繰り広げられている。
 最大手の任天堂が同日、3D(3次元)対応の携帯型機「ニンテンドー3DS(スリーディーエス)」を初公開し、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)も据え置き型機「プレイステーション(PS)3」で3D対応ソフトを拡充すると表明。テレビに続きゲーム機でも3D時代が幕を開けた。
 家庭用ゲーム機は、市場の成熟化や携帯電話向けゲームへの需要シフトで業績が伸び悩む。各社とも「専用機でしかできない体験」(SCE)を売り物に巻き返しを図る。映画やテレビでの3Dブームも追い風だ。
 3DSは、任天堂が2004年に発売した「ニンテンドーDS」シリーズの後継機で、専用の眼鏡なしで3D映像を楽しめるのが特徴だ。本体背面に設置した2つのカメラで3D画像を撮影できる機能もある。3D画面の奥行きを手動で調節できるという。岩田聡社長は記者会見で「(3D動画ゲームの)実演は世界初だ」と強調した。価格など詳細は未定だが、来年3月末までに発売する計画だ。
 一方SCEは、PS3向けで初の本格的な3D対応ソフトとなる自社開発の人気ソフト「グランツーリスモ」の最新版を11月に発売すると発表。このソフトを楽しむには3D対応のテレビが必要だが、平井一夫社長は「ゲームの中に実際に入っているのに限りなく近い体験ができる3Dならではのソフトの品ぞろえを広げ、需要を喚起する」と意気込む。
 3D対応以外でも、SCEが15日、新型体感コントローラー「プレイステーションMove(ムーブ)」を9月以降、世界に投入すると発表。臨場感あふれる3D映像とスポーツゲームなどで差別化を図った。米マイクロソフトも体感型ゲームの年内に投入する。
 ただ、3D対応を中心とした新たな需要が掘り起こせるかどうかは未知数だ。米電子機器大手アップルの「iPhone(アイフォーン)」などの高機能携帯電話「スマートフォン」向けの安価なゲームソフトとの競合も激しい。
 無料から数ドルで提供されるゲームソフトが若者の人気を集めており、今年はスマートフォン向けゲームが「さらに大きく伸びるのは確実」(米アナリスト)とみられている。

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