宮城県が主導する仙台医療圏4病院の再編方針を巡り、村井嘉浩知事は11日の定例記者会見で、県立がんセンター(名取市)と仙台赤十字病院(仙台市太白区)の統合による新病院を名取市に、県立精神医療センター(名取市)と東北労災病院(青葉区)を合築して整備する新病院を富谷市にそれぞれ配置するのが望ましいとの考えを明らかにした。
任期満了に伴う知事選(14日告示、31日投開票)に5選を目指して出馬する際の公約に絡み示した。知事は「相手のあることで、この通りになるかは分からない」とした上で、「少なくとも(現職の)私が『ここが一番いい』と思っているとはっきり伝えることが重要だと思った」と、立地案を示す理由を説明した。
県南の医療体制について、みやぎ県南中核病院(大河原町)の分娩(ぶんべん)休診、多くのお産を扱うスズキ記念病院(岩沼市)の医師高齢化に言及。名取市の新病院が赤十字病院が担う産科機能を引き継ぐことを念頭に「南に(新病院を)持っていくのは、非常に県民のためになる」と語った。
精神医療センターに関しては全県から急患が搬送される現状を踏まえ、県央部に立地する利点を説明。人口が増加傾向にある富谷市や黒川郡が総合病院の空白地である点も課題に挙げた。「富谷は宮城の『へそ』。急患搬送の面でも県民の利益につながる」と強調した。
衆院選と同日選となり、14日の告示が迫る知事選については「16年間の通信簿的な意味合いがある。これまでやってきたことを申し上げ、今後4年間のやりたいことを訴える」と主張。新型コロナウイルス下の選挙には「県民に自重をお願いしている以上、常に感染対策を意識した対応になる」と見通した。