8年越しの恩「むすぶ」東京におむすび店開業

大崎市のNPO法人「鳴子の米プロジェクト」で生産した「ゆきむすび」のおむすび専門店が28日、東京・神保町にオープンした。大学時代に米プロジェクト の取り組みを学び、首都圏で「おむすび権米衛」を展開する「イワイ」(東京)に就職した林田悠子さん(29)=東京都大田区=が両者を縁結びした。

林田さんは2007年、地域ぐるみでコメ生産者を支える米プロジェクトを卒論のテーマに鳴子温泉に滞在した。100人余りを聞き取り調査し、ゆきむすびの 出荷作業なども手伝った。イワイに就職したのも、コメの消費拡大を通じて地域を支える同社の経営方針に共感したからだった。
林田さんから米プロジェクトの取り組みを聞いていた同社の岩井健次社長は、「きっかけは林田さん。地域で頑張る鳴子を応援したいと思った」と説明。取引額は60キロ当たり2万4000円、取引量は年15トンを見込む。
28日のオープニングイベントには米プロジェクトの生産者ら12人が駆け付け、林田さんと再会。買い物客に試食用のゆきむすびを一緒に配った。
米プロジェクトでは設立時から、大学生ら若者に食と農業の関わりを考えてもらう機会を積極的に提供してきた。8年前、林田さんの宿泊を受け入れた大崎市鳴 子温泉の農業高橋正幸さん(75)は、「こんな形でつながるとは思わなかった。一生懸命頑張ってくれたんだね」と目を細める。
林田さんは「鳴子のように地域で頑張っている農家を、東京の人たちが食べ支える手伝いをこれからも続けたい」と笑顔で語った。

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