国土交通省がまとめた9月の新設住宅着工戸数によると、東北6県の総数は前年同月比2.1%増の3458戸となり、3カ月連続で前年を上回った。伸び率は岩手、宮城両県が大きく、東日本大震災の被災者の新規着工も押し上げ要因になったとみられる。
県別の着工戸数と前年同月比増減率は表の通り。青森、福島を除く4県が前年を上回った。
種類別では持ち家が全体で3.3%増の2174戸。宮城は37.6%増(着工戸数670戸)と最も高い伸びを示した。他の5県は秋田15.6%増(259戸)、岩手4.7%増(292戸)、山形4.0%増(235戸)。福島9.8%減(461戸)、青森32%減(257戸)。
分譲住宅は東北全体で70.6%増の459戸となった。うち一戸建ては3.5%増の235戸、マンションは224戸で前年同月の約5.3倍に増えた。マンションの内訳は岩手138戸、宮城86戸だった。
アパートなどを含む貸家は20.8%減の786戸。
全国の新設住宅着工戸数は10.8%減の6万4206戸で、6カ月ぶりの減少に転じた。国交省は「全国は震災で遅れていた着工が一段落した。東北では着工遅れ分がまだ残っていることもあって増加につながったのではないか」とみている。