福井県立恐竜博物館(同県勝山市)と長崎市教育委員会は7日、長崎半島西岸の地層「三ツ瀬層」(白亜紀後期、約8100万年前)から、四つ足の草食恐竜「よろい竜」の歯の化石一つを見つけたと発表した。よろい竜の化石は海外では数十例の発見があり、国内では5例目。同じ地層からは小型獣脚類(肉食恐竜)の歯の化石二つも発見。過去にも恐竜化石が見つかっていることから、博物館の東洋一特別館長は「たくさんの種類の恐竜が生息していた場所だったことを示している」と話す。
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よろい竜の歯の化石は幅最大9.8ミリ、長さ9ミリ。幅が広くて薄く、前後がノコギリ状になっている。
よろい竜は白亜紀(約1億4000万~6500万年前)に北半球に広く分布した草食恐竜で、体長は推定5~8メートル。よろいのようになった背中と尾の先のこぶが特徴。欧米や中国などの同時期の地層から約60点の化石が見つかっている。
日本では北海道夕張市や兵庫県丹波市など4カ所で化石や足跡が発見されていた。このうち熊本県御船町の約9000万年前の化石が最も年代が新しかったが、今回の発見でさらに900万年後まで存在していたことが証明された。東特別館長は「日本で白亜紀後期の恐竜化石は珍しい。調査を進め、白亜紀後期の恐竜の特徴をはっきりさせていきたい」と話している。【山衛守剛】