<お遍路プロジェクト>被災地巡るバスツアー

東日本大震災の被災地に鎮魂の巡礼路の整備を目指す一般社団法人「東北お遍路プロジェクト」(仙台市)は、法人が選んだ巡礼地を巡る仙台発着のバスツアー を8月下旬に企画した。初の試みで、津波で被災した沿岸部のいまを多くの人に知ってもらうのが狙い。ツアーは日帰りと1泊の2種類があり、参加者を募って いる。
23日に予定する日帰りツアーでは、震災発生時に津波に備えて多くの住民が避難した福島県新地町の大戸観音堂や、宮城県山元町が震災の遺構として保存を検討する旧中浜小校舎などに足を運ぶ。
1泊のツアーは29、30の両日に実施される。石巻市中心部を見渡せる日和山公園や、同市の宮城県慶長使節船ミュージアム(サン・ファン館)、同県南三陸 町の上山八幡宮などを回る。同県女川町の宿泊先では、釜石市出身のシンガー・ソングライターあんべ光俊さんのライブがある。
法人はツアーの開催に向け、スマートフォンの衛星利用測位システム(GPS)機能を使い、巡礼地をお参りした証しを残すことができる「デジタル御朱印帳」も開発した。
東北お遍路プロジェクトは2月、「1000年先まで語り継ぎたい物語性がある」などの基準に基づき、巡礼地として選定した53カ所を発表した。今回のツアーの立ち寄り先の多くはこの中に含まれている。
プロジェクトの高橋雄志共同代表は「巡礼地を回り、被災地の物語に触れてもらいたい」と話す。
参加費は日帰りが1人4900円。1泊は1人が1万5700円、2人一組だと2万9800円。3人以上での参加も可能。連絡先は、仙台市の旅行会社たびむすび022(397)6649。

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