<しばた千桜橋>老木の植え替え急務/(下)近づく限界

柴田町のホームページでは桜の様子を日替わりで伝えている。
「3日、船岡城址公園の標準木の桜が咲きました」
「4日、白石川堤に桜色のやわらかな曲線が描かれました」
町商工観光課や町観光物産協会の担当者が写真入りで更新。「次の週末は満開になりそう。最新の状況を確認して」とPRする。
船岡城址公園の桜は1907年、地元の船岡村長や貴族院議員を務めた飯淵七三郎(1846~1926年)が町に寄贈。しばた千桜橋から見渡せる一目千本桜は20年代、大河原町出身の実業家高山開治郎(1876~1942年)が同町に贈り、それぞれ植樹された。
多くがソメイヨシノで、寿命は数十年から長くて100年。住民有志は「町さくらの会」を結成。「桜守」として桜の手入れや若木の植樹に取り組み、全国屈指の景観を保ってきた。
だが、桜の老化は刻々と進み、「20年前が一番勢いがあった」と衰えを感じる住民は多い。幹の空洞化など限界を迎えた老木もあり、「延命はもう難しい」との指摘もある。
さくらの会の4代目会長で庭師の平間誠貴さん(41)は根元周辺の舗装や、花見客が踏み固めた土を手入れしないことも桜を弱める一因になっているとみる。
「切るのは忍びないという声もあるが、老木を計画的に植え替える時期はとうに来ている。後世に残すためにすぐに動きだすべきだ」と危機感を訴えた。

[メ モ]柴田町さくらの会は1978年に発足。船岡城址公園や小中学校などで桜を植樹し、植樹数は約1500本に上る。桜の管理では病気や枯れた枝の伐採、間引き作業を町内全域で実施している。大河原町でも97年にさくらの会が発足した。

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