宮城県農業・園芸総合研究所(宮城県名取市)が開発した県産イチゴの新品種「にこにこベリー」の一般向け販売が12月に始まる。同月1日にJR仙台駅で披露会を開き、消費者にPRする。県は2019年産(今年10月~19年6月)をプレデビューと位置付け、20年産からの本格生産、販売を目指す。
にこにこベリーは、県産主力品種「もういっこ」と、栃木県発祥の「とちおとめ」を掛け合わせて誕生した。果肉が鮮やかな赤色で、甘さと酸味のバランスが良いのが特長。収穫時期が長く、とちおとめに比べ収量は3割ほど多い。日持ちが良く輸送性にも優れる。
19年産は約1万2000株の親株を生産者に提供。亘理、山元両町の計1ヘクタールで作付けし、65トンを生産する見通し。仙台市内の果物店やデパートで、1パック650~1000円前後で販売する。20年産は作付面積6ヘクタール、生産量390トンに増やす計画。
来月1日の披露会では先着200人に無料配布する。同4日には仙台市内でパティシエら菓子店関係者を招き、試食会を開く。
県産イチゴの作付面積はもういっこが51%、とちおとめが41%を占める。県はとちおとめに代わる独自品種として生産普及、販路拡大を図る。村井嘉浩知事は26日の定例記者会見で「園芸作物のエースに育てたい」と意気込みを語った。