<にじいろノート>〇〇男子を笑うな!

ある朝つけたテレビの中の「ディズニー男子」という言葉に目が留まりました。最近、ディズニーランドに若い男性同士のグループが増え、中には仲間で服装 を合わせて楽しんでいる人たちもいる、という内容です。「男同士、気を使わなくてもいいから思いっきり楽しめる」「ワイワイ騒げるし、すごく盛り上がる」 と愉快そうに話す彼ら。
最初は「へぇー、そうなんだ」と軽い気持ちで見ていたのですが、番組が進むにつれて、何だか気分が悪くなり…。たまらずチャンネルを変え、いったい自分は何がこんなに不愉快なのか考え始めました。
まずは、質問のやりとり。インタビュアーは、開口一番「なぜ女の子と来ないの?」と聞き、「女友達や恋人とではなく」男性だけで訪れる人が多いことを強調し、まとめていました。ディズニーランドは女性と行くべきもの? 誰がそう決めた?
もう一つは、当の男子たちが話すたびに、スタジオ出演者の笑う様子が画面に出ること。それが私には好意的なものでなく、「からかい」の笑いに見えたこと。 「男友達とテーマパークに遊びに行く」のが、そんなに笑えること? 好きなことを好きだと言い、やりたいことをやる。それがなぜ笑いの対象に?
もし、今回の特集が「ディズニー女子」だったら…。同じように「なぜ男の子と来ないの?」と聞かれたり、発言するたびに笑いが起こったりしたかどうか。
最近、「手芸男子」や「絶食系男子」など、「○○男子」という言葉が次々に生まれています。「こういう男性もいる」と紹介することで、「男はこうあるべきだ」という考えに縛られ、したいことを我慢していた人たちが楽になれるかも、と私は思っていました。
しかし、テレビの「ディズニー男子」には、「面白おかしく笑おう」というノリが感じられたのです。メディアが取り上げたことで、もしかしたら周りからネタにされ、傷つく「ディズニー男子」もいるかもと、心に引っ掛かっています。
趣味や行動を笑われたり、否定されたりするのは、気分のいいものではありません。メディアが「こういう男性は珍しいでしょ?」と表現し、皆が笑うさまに、私は腹が立ったのでした。あの番組を作ったのはどんな人なのか…。なんてことが気になるのは私だけなのかなぁ。
(公益財団法人せんだい男女共同参画財団・小野敏久)

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