宮城県気仙沼市唐桑町神の倉で、300年以上の歴史があるとされる正月の縁起物「はじき猿(ざる)」作りが大詰めを迎えている。
はじき猿は、悪事や災難を「はじき去る」との言い伝えがある民芸品。小さな猿の縫いぐるみを竹ひごに抱きつかせ、下にある竹のばねではじく。「福が回ってくる」という意味の風車も付いている。
地区の高齢者3人が1年がかりで手作りする。来年はさる年。約300個を作る千葉辰雄さん(75)は「さる年のはじき猿はいっそう縁起がいい。震災をはじき飛ばし、皆が幸せになるよう美しく仕上げたい」と作業に励む。
同市唐桑町の御崎神社の初詣や来年1月9、10日の神社祭典で販売される。