宮城県石巻市が昨年9月、東日本大震災で休止していた「ふるさと納税」寄付者への特産品贈呈を再開したところ、申込金額がことし8月末までの1年間で4億円を超えた。昨年9月にインターネットの専用サイトを設けたことも寄付額増につながったとみられる。
8月末までの寄付は2万5883件で計約4億2100万円。14年4~8月は約290万円で、同年9月の特産品の送付再開後に急増した。送付を休止していた13年度の寄付額は約2550万円だった。
特産品は5000円以上の寄付者を対象に贈る。10万円以上まで5段階に区分し、品物を選択できる。1万円以上3万円未満が全体の5割、5000円以上1万円未満が3割を占める。
大半の寄付者が特産品を希望し、人気はカキなどの水産物。被災した水産業者の販路回復に向けた商品PRにも効果を上げている。
寄付額、件数とも最大だったのは昨年12月。寄付金控除が受けられる確定申告の駆け込み需要やお歳暮時期などが要因とみられる。
市はさらに寄付者を増やすため、地元の小中高生が特産品の生産者を取材し、動画をインターネットで発信する企画を始める。市地域振興課は「ふるさと納税は自治体間の競争で、どこも趣向を凝らしている。魅力ある産品の発掘にも取り組みたい」と期待する。