<アカザラガイ>カキ養殖の厄介者 商品化へ

ホタテより一回り小さい二枚貝で、気仙沼市の県漁協唐桑支所が商品化を進めている「アカザラガイ」の知名度アップや流通拡大に向け、県は5日、市内のレストラン「ブランチ」で試食会と講演会を開いた。
伊東和三シェフ(40)がグラタンやコロッケ、西京みそ焼きといった和洋の8品を調理。県や支所の関係者ら約30人が味や食感などを確かめた。
同市唐桑町の鈴木る美子さん(68)は「加熱するとうま味が濃くなる。シチューにも合いそう」と舌鼓を打った。伊東シェフは「ゆでた時のだしがおいしく、流通すればもっと食材として使われる」と期待した。
アカザラガイはカキ養殖に付着する厄介者だが、ホタテより味が濃く、地元で炊き込みご飯などにして消費されてきた。支所が冷凍保存による周年出荷の体制を整え、支所女性部が薫製品「漁師のおつまみ」を商品化した。
講演した西川正純宮城大食産業学部教授は「仙台のホテルや料理店からの評価も高い。ホタテと同等の価格で買い取ってもらえるので、小口流通システムの構築でブランド化を目指してほしい」と話した。

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