10日午前6時5分ごろ、茨城県鉾田市台濁沢の海岸で、通行人の男性から「多数のイルカが打ち上げられている」と第3管区海上保安本部(横浜市) に通報があった。鹿島海上保安署員が駆け付けたところ、同市汲上から同市上幡木間の海岸(約10キロ)で、約150頭のイルカが打ち上げられていた。大半 が生きているとみられ、同署員らが救助活動を行っている。
鉾田市は同日朝、イルカ救出のための対策本部を設置した。アクアワールド茨城県大洗水族館(同県大洗町)などによると、打ち上げられたイルカはカズハゴンドウで、体長は約2~3メートル。鹿嶋市内にも打ち上げられているとの情報もあり、被害頭数は拡大する可能性もある。
現場では地元住民も協力し、イルカにブルーシートをかぶせたり、バケツで海水をかけたりして救助活動を行った。鉾田市飯島の派遣社員、石岡民子さん(53)は「テレビのニュースで見て、バケツを持ってきた。とにかく無事に海に帰ってほしい」と話した。
現場付近の海岸では毎年、数頭のイルカが打ち上げられており、2011年3月には鹿嶋市で、カズハゴンドウ54頭が見つかっている。原因ははっきりしていないという。【松本尚也、玉腰美那子、岩本直紀】