果物や野菜を花や動物の形に彫刻するタイの伝統技術「カービング」の世界大会が9月上旬にタイの首都バンコクであり、仙台市などでカービング教室を主宰す る菊地豊子さん(53)=泉区=らのチームが団体戦で最高賞の金賞を受けた。菊地さんは2013年、バンコクであった別の世界大会の個人戦でも最高賞を獲 得。日本人としては珍しい個人戦と団体戦、両方の受賞に「大きな自信になる」と喜ぶ。
菊地さんは首都圏のカービング仲間2人と一緒に、世界大会に出場。4時間の制限時間の中、専用のナイフでスイカに模様を彫ったり、パパイアでバラを作ったりした。金賞を受けたのは16チームのうち3チームだけだった。
菊地さんはバラの形の彫刻を得意とする。大会ではパパイアで作ったバラの出来栄えが良く、審査員から「本当にナイフだけで彫ったのか」と驚かれたという。
菊地さんは「タイの若い世代のレベルが急激に高まる中、金賞を獲得できてうれしい」と語る。
カービングを始めたのは5年前。女性雑誌で花の形に彫られたスイカを見て「とてもきれい。自分もやりたい」と即座に引き込まれた。それ以来、東京やタイの教室に通い、ずっと技術を磨いてきた。
現在はカービングの魅力を多くの人に知ってもらおうと、仙台、岩沼、山形3市計5カ所の教室で約150人の生徒を教える。「2度の受賞で自分の挑戦は一区切り。今度は教え子を世界大会に送り込みたい」と次の目標を見据える。