仙台市ガス局が再検討している民営化について2017年4月から実施するのは困難になったことが1日、分かった。経済産業省は同年4月に家庭向け都市ガス 小売り自由化を始める方針を決めており、同時期の民営化は実現できない見通しだ。民営化するかどうかの判断が遅れている上、売却先の公募など手続きにも一 定期間を要するため。
市ガス局はことし3月までをめどに民営化の可否を決める方針だった。だが、新規参入企業が使う都市ガス導管の使用料算定手 法をはじめ、全面自由化後の詳細な制度設計が決まっておらず、事業環境を見通せない状況が続いており、判断時期は16年度以降にずれ込む可能性が高い。
前回、市ガス局が10年4月の民営化を目指した際、売却先の公募を始めたのは08年9月で1年半前だった。今回は17年4月まで既に1年半を切っており、売却手続きを完了させるのは厳しい情勢となっている。
ことし4月には電力小売りの全面自由化も始まり、エネルギー関連各社が電力分野に投資する動きが相次ぐ。市ガス局は公募の際は複数の応募者を競争させたい考えで、電力への関心が集中する現状で売却先を募るのは好機ではないとの判断もあるとみられる。
市は前回、行財政改革の観点などから05年に民営化方針を表明した。売却先の公募に1グループが応じたが09年に辞退。15年2月に検討再開を明らかにした。