宮城県内でクマの出没情報が例年を上回るペースで寄せられていることを受け、岩沼署は17日、実際に目撃情報があった岩沼市志賀地区で、岩沼、名取両市と県猟友会岩沼支部と出没時の対応訓練を実施した。警察と行政、猟友会の合同訓練は県内で初めて。
実際に県北で駆除したクマの剥製が用意され、各機関の約20人が参加。花火製造の佐藤煙火の近くでクマを目撃した同社常務の佐藤典子さん(54)が110番した-との想定で、同署員が駆け付けてクマよけ花火に点火したり、猟友会がクマを駆除したりする流れが確認された。
クマの出没に備え(1)大声を出す(2)目を見ながら後ずさりする(3)シートをかざして体を大きく見せる-などの対処法も実践した。
猟友会岩沼支部長の桜井猛夫さん(75)は「有意義な訓練だった。クマと遭遇した際に学んだことを生かしたい」と話した。
県によると、4~9月のクマの出没は1212件で、昨年同期の約2.6倍に上っている。