<グリッドロック>「超」渋滞現象、震災で初確認

東日本大震災が起きた昨年3月11日、車両が道路上に滞留してほとんど動かなくなる「グリッドロック」と呼ばれる渋滞現象が東京都心で同時多発的に起こっていたことが、芝浦工業大の研究で分かった。この現象によって渋滞が爆発的に広がり、都心の道路交通網全体が長時間まひした。同大によると、交通網全体がストップするようなグリッドロック現象が国内で確認されたのは初めて。【鳥井真平】
 チームの同大4年、清田裕太郎さん(22)は、昨年3月11日に都心を走っていたタクシー約3000台に搭載された全地球測位システム(GPS)のデータを分析。地震発生直後の午後3時ごろから、一般車両を一般道に移す交通規制を行った首都高速道路出口周辺で、歩行速度よりも遅い時速5キロ以下で2時間以上継続して走る車が現れ始めた。これが引き金となり、渋滞が連鎖的に広がった。
 渋滞のピークは午後6時ごろ。都心全体が渋滞となり、午後7時には震災前に平均速度が時速22・7キロだった区間で同4・2キロまで低下していた。大渋滞は3月12日午前0時ごろまで続き、ほぼ解消されたのは12日夕方だった。
 昨年の大震災では、救急車などの緊急車両が渋滞に巻き込まれて走行に支障を来した例もあった。発生が懸念される南海トラフ巨大地震で被災の恐れがあるとされる大阪や名古屋などでも対策が迫られそうだ。岩倉成志教授(交通計画学)は「新しい交通管制システムの構築や高速道路の緊急退出路の新設など、被災時の渋滞緩和策を講じる必要がある」と分析している。
 【ことば】グリッドロック現象
 ある交差点に想定容量を超える自動車が殺到して渋滞が生じ、四方に延びた渋滞の列が別の交差点の通行を妨げることで次々と周辺の交差点が詰まって渋滞が連鎖していく現象。80年には米ニューヨークで公共交通機関がストライキを行った際、この現象がきっかけで交通網全体がストップした。

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