<グループ化補助金>被災企業の回復二極化

東日本大震災で被災し、国のグループ化補助金を活用する青森、岩手、宮城、福島4県の企業のうち、売り上げが震災前の水準まで戻った企業と、減った企業との二極化が進んでいることが、東北経済産業局のアンケートで分かった。

売り上げが震災前の水準と比べて「増加」「変化なし」と回答したのは44.8%。昨年6月の前回調査より4.6ポイント増えた。一方、減少した55.2%のうち、震災前の「5割以下」の企業は30.8%で、前回調査よりも6.5ポイント上昇した。
東北経済産業局は「復興特需が薄れてきた中で、新しいことに挑戦して売り上げを伸ばしている企業と、従来通りの仕事をしている企業との差が出てきている」と分析する。
業種別では、「増加」「変化なし」の割合が高かったのは建設業(75.8%)、運送業(52.9%)など。「減少」が高かったのは水産・食品加工業(74.1%)、卸小売り・サービス業(64.2%)など。
売り上げが回復しない理由は「既存顧客の喪失」が33.7%で最多。旅館・ホテル業では「風評被害」が31.2%で最も多かった。
雇用規模が震災前の水準に回復したのは55.2%。建設業(67.7%)や卸小売り・サービス業(58.7%)が多い一方、水産・食品加工業(37.0%)や旅館・ホテル業(45.8%)は回復が遅れている。
現在の経営課題(複数回答)は「人材の確保・育成」が61.4%で最多。運送業、建設業、旅館・ホテル業などで目立った。「販路の確保・開拓」 (51.5%)、原材料価格の高騰(28.5%)が続いた。東北経産局は「雇用水準が震災前に戻っていない企業の売り上げ減少には、人材不足が影響してい る場合がある」とみる。
アンケートは6月、2011~14年度にグループ化補助金の交付を受けた東北4県の8569事業所に実施。6097事業所(71.2%)から回答を得た。

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