コープ東北サンネット事業連合(仙台市)は、東北6県にある生協の物流機能の集約化に乗り出した。9月に一部稼働したドライ統合物流センター(宮城県富谷 町)を手始めに、農産品などを扱う施設でも計画する。インターネット通販などさまざまな需要に対応できるよう、経費削減や品質の均一化を図る。
ドライセンターは地上3階、延べ床面積約3万7000平方メートル。菓子や飲料品、調味料といった比較的賞味期限が長い食品や雑貨計9500点を扱う。
宮城県内向けに9月中旬稼働した。来年6月をめどに、県内4カ所に分散する物流機能をドライセンターに集約。東北6県の生協店舗や組合員の共同購入、宅配サービスに関する商品を扱う体制を整える。
設備面では、専用機械で何度も書き換え可能なラベルの使用、瞬時に重量をグラム単位で計測し検品する機能など最新技術を導入。需要に応じた商品管理ができるようにした。
コープ東北は2012年に物流本部を設置。ドライセンターのほか、仙台市内のみやぎ生協の農産品物流施設を新しくし、南東北3県をカバーすることも視野に 入れる。商品チラシを扱うカタログセンターは南東北か東北全体で一元化する方向で検討。チルド商品の物流集約化も課題と捉えている。
小売業界では近年、大手を中心に実店舗やインターネット通販など複数の販売チャンネルを組み合わせて事業拡大を目指す考え方「オムニチャンネル戦略」がトレンドになっている。物流拠点の新設や集約化はこうした流れに対応する狙いもある。
物流担当の河野敏彦常務理事は「取引先の工場からまとまった数の商品が1カ所に直送されれば、中間コスト削減につながる。品質のばらつきがなくなり、鮮度が向上する利点も期待できる」と説明する。