<サケ>遡上回復へ「海産親魚」作戦スタート

宮城県漁協志津川支所と宮城県南三陸町などは7日、不足する秋サケの卵を確保するため、親サケを海で捕獲する「海産親魚」の取り組みを始めた。東日本大震災の影響で川への遡上(そじょう)が激減する中、同町初の試みで資源回復への望みを託す。
志津川淡水漁協の組合員が志津川魚市場に水揚げされた約250尾から約52万個を採卵し、水尻川で捕れたオスの精子をかけて人工授精した。
サケは捕獲した漁業者から志津川湾水系さけます増殖協会が1尾2000円程度で買い取る。国の被災地支援事業の助成を受ける。19日まで週3回、海産親魚の捕獲を続ける方針。
同協会などは本年度の稚魚の放流数を1000万尾に設定したが、7日までに確保した種卵は約500万個にとどまる。県漁協志津川支所の佐々木憲雄運営委員長は「できるだけ多く稚魚を放流するために海と川の関係者が協力しなければならない」と話した。
海産親魚の取り組みは、水産庁の「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」として岩手県で行う実証実験を参考にした。

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