<サービス付き高齢者住宅>情報公開を介護施設並みに

国土交通省は、安否確認などのサービスのある「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)に関し、今年度中にスタッフの体制や生活支援の詳細をインターネットで公表する仕組みを始める。サ高住は賃貸住宅の位置づけだが、介護の必要な入居者が多い状況を踏まえ、介護施設並みの情報公開を事業者に求める。第三者による評価も公表する。急増するサ高住は質のばらつきが課題とされており、入居希望者に比較材料を提供する狙いがある。

サ高住は高齢者が安心して暮らせることを目指し2011年10月にスタート。居室はバリアフリー構造で原則25平方メートル以上の広さがあり、安否確認と生活相談のサービスを受けられる。都道府県などへの登録制で、新築や改修などの費用には国の補助がある。7月末現在の登録数は20万3783戸にまで増えている。

登録情報は専用ホームページ上で都道府県ごとに公開されている。しかし、「賃貸物件」としての情報にとどまり、スタッフの体制やサービス内容など詳しい運営実態はほとんど公表されていない。入居希望者からは「情報提供が不十分」との不満も出ていた。

このため、国交省が公開情報の統一基準を設け、都道府県別の物件サイトに運営状況の欄を新設。ここをクリックすると、重度認知症の人の受け入れの可否や入居者の年齢別人数など計約60項目が分かるようにする。

公表内容を事業者側の申請により高齢者住宅推進機構が有料でチェックする仕組みも設ける。情報公開も第三者評価も任意だが、事業者が積極的に応じているかどうかも物件選びの判断材料となることが期待される。【有田浩子】

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