<セイコーエプソン>オフィス内で紙を再生 世界初の製紙機

セイコーエプソンは1日、水を使わずに再生紙を作る世界初の製紙機「ペーパーラボ」を開発したと発表した。紙の使用量が多い金融機関や自治体向けで、 2016年中に発売する。オフィス内で活用できるリサイクル機器としてアピールし、発売から3~5年で年間100億円規模の売り上げを目指す。

ペーパーラボは幅2.6メートル、奥行き1.2メートル、高さ1.8メートル。使用済みのコピー用紙を原料とし、A4用紙1・2枚で同1枚分を再生。1分間の稼働で14枚、8時間で6720枚程度のA4用紙を作ることが可能だ。

これまで紙の再生にはA4用紙1枚当たりコップ1杯程度の水が必要だったが、ペーパーラボでは不要。具体的な製法を明らかにしていないが、機械的に強い 衝撃を与えて紙を綿状の繊維に分解し、機密情報も抹消。色や香りを加えたり、厚めの名刺用紙を作ったりすることもできるという。

再生紙工場でのリサイクルに比べ、古紙の回収、輸送にかかる費用などが節約できる。販売価格は未定だが、同社の碓井稔社長は「紙を買うよりも(価格面で)メリットがある形で提供できる」と強調。将来はコピー機並みに小型化することを目指す。【片平知宏】

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