<ツタヤ図書館>来館30万人突破 棚に空きも

多賀城市立図書館(宮城県多賀城市)が入るJR仙石線多賀城駅前の再開発ビルの来館者数が30万人を超えた。図書館指定管理者のカルチュア・コンビニエン ス・クラブ(CCC)が集計した。貸出冊数も前年同期比で約4倍に増えた影響で本棚に空きが出るようになったため、同館は返却された本を迅速に処理し棚に 戻すなどしてサービスに努めている。
30万人達成は18日。3月21日の開館から5月20日まで2カ月間の来館者は30万8621人で、前年同期比で約20倍。CCCは当初2カ月の入場者を25万人と見込んでいたが、目標を約2割上回るペースとなっている。
図書館で本を借りた人は延べ4万9031人で約6倍。貸出冊数は17万2027冊で約4.3倍、1人平均約3.5冊と貸し出しが好調なため、人気の児童書や実用書がある1階を中心に、本棚に隙間が目立つようになった。
図書館は22万冊の蔵書のうち貸し出し可能な21万冊を1~3階の書棚に並べている。1カ月に新刊など約150冊を購入するが、追加の大量購入は難しい。
棚に本がある状態を維持するため、貸し出し実績が少ない、購入時期が古いといった理由で本棚の上部や3階の立ち入り禁止区域内の棚に並べていた本を、通常の棚に移動させた。
返却された本は速やかに処理と確認作業を行っている。特に週末は、午前中だけでも3000冊が返却され作業が集中するという。
運営スタッフの八尾村久子さん(34)は「こまめに棚を回り、サービス維持に努めたい」と話す。
好調な貸し出しの背景には市外からの利用者増がある。新たに多賀城駅前2カ所と市内3カ所のコンビニエンスストアに返却ポストを置いたことも利用を後押ししているようだ。
担当者は「多いときは1回の巡回で300冊を回収する。気軽に返却できることも本を借りるきっかけになっている」と推測する。

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