多賀城市立図書館(宮城県多賀城市)が入るJR仙石線多賀城駅前再開発ビルが、予想より早い開館15日間で入場者10万人を達成した。子どもを中心に市内外から利用客を集め、市が狙う「交流人口拡大」への期待が高まっている。
3月21日の開館初日は約1万2000人が訪れ、約7000冊を貸し出した。開館から1日平均約6600人が足を運ぶ。貸し出しの約4割が児童書。市内の小学生に配られた、借りた本を記録する「読書通帳」の効果が出ているようだ。
利用登録者は1万3274人で約7割が新規。半数は多賀城市民だが、仙台市、塩釜市、利府町と近隣市町の利用も多い。今も登録希望者の長い列ができる。
当初心配された図書の分類法では大きな混乱はないようだ。
カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が指定管理者の新図書館は、一般的な「十進分類法」と異なる独自の分類法を採用する。先行する佐賀県武雄市 図書館などでは「分かりにくい」と批判を受け、多賀城では改良を重ねた。CCCは「検索機でおおまかな配置も分かるため苦情は出ていない」と説明する。
滑り出し順調な利用に、菊地健次郎市長は「予想以上に早い10万人達成だった。このまま交流人口が増えてくれればいい」と図書館効果に期待する。
ただ、これまで利用のなかった人を呼び込む一方で、マナーの悪さも目立っている。ふた付きの飲み物以外の飲食ができないといった図書館のルールが守られ ず、職員が連日注意を促す場面も見られる。CCCは「その都度スタッフが声を掛けている。徹底をお願いしたい」とマナー順守を呼び掛ける。