<ツール・ド・東北>仏覇者、復興へ一緒に走る

東日本大震災で被災した宮城県沿岸で9月13日に開かれるサイクリングイベント「ツール・ド・東北2015」(河北新報社、ヤフー主催)に、自転車レースの最高峰ツール・ド・フランス2008年覇者、カルロス・サストレさん(40)=スペイン=が出場する。
サストレさんは1997年にプロデビューし、2008年ツール・ド・フランスで総合優勝した。11年に引退し、父が運営する財団の一員としてロードバイクの普及を図る慈善事業に取り組んでいる。世界3大ロードレースの公式コメンテーターを務める。
大会では五つのコースのうち石巻市と女川、南三陸両町を通る「北上フォンド」(100キロ)に出る。大会前日の12日は石巻専修大で開かれる子ども向けの自転車教室に参加し、指導に当たる。
サストレさんの参加は東京都の自転車輸入販売店「コルサ・コルサ」店主の江口静一さん(42)が橋渡しした。
江口さんは昨年夏にスペインで面会したサストレさんから被災者に宛てた応援メッセージ入りのジャージーを提供され、河北新報社に連絡した。ジャージーはことし1月、ツール・ド・東北実行委員会に寄贈された。実行委が江口さんを通じて参加を打診し、快諾を得たという。
サストレさんは「一人でツール・ド・フランスを勝ち抜くことはできず、震災での支援のように皆が一丸となって初めて勝利が実現できる。道のりは困難かもしれないが、精いっぱい走ろう」とメッセージを寄せた。
ツール・ド・東北は13年に始まり、ことしで3回目。石巻、気仙沼、女川、南三陸の4市町のコースを自転車で駆け、復興と再生への思いを確かめる。全国から約3500人が出場し、順位やタイムを競わないファンライド方式で繰り広げる。

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