J1仙台の元監督で日本代表の手倉森誠コーチ(49)=青森県五戸町出身=が10日、仙台の練習が行われた仙台市の紫山サッカー場を突如訪れ、渡辺監督を激励した。2008年から6季、監督とコーチの師弟コンビを築いた2人は、練習後の約10分間、笑顔を交えつつ真剣に話し込んだ。
手倉森コーチは帰る際、報道陣に「ただの世間話をしに来た。家から追い出されてしまったのでね」と、いつもの調子でユーモアたっぷりに語った。だが、時折、身ぶり手ぶりも加わった「世間話」は熱を帯び、戦術の助言をしているように見えた。
例年、春季キャンプを訪れることはあるが、シーズン中の練習視察は珍しい。チームは7日の浦和戦でクラブワーストの7失点で惨敗しており、「まな弟子」の心境を気に掛けたに違いない。
渡辺監督は「誠さんは常々チームを気にしてくれる。その気持ちがうれしい」と晴れやかな表情を見せた。「逃げ出さない限り、次のゲームはやってくる。もう一度、エネルギーを出して前に進む」。12日のカップ戦ホーム磐田戦に向けて気持ちを切り替えていた。(狭間優作)