「今年は１桁順位に入る。３年後に優勝を」と将来設計を立てた渡辺監督。実現するためのけん引役として期待しているのが野沢だ。強豪鹿島でＪ１優勝や天 皇杯制覇など数々のタイトル獲得を支えた経験豊富な３３歳のベテランに、渡辺監督は「チームに勝者の気構えを植え付けてほしい」と望んでいる。
◎野沢けん引役に期待
野沢は昨季、途中加入ながらＪ１残留に貢献。梁勇基と共に仙台を代表する選手になりつつある。「サッカー選手たるもの、タイトルを目指すのが当然」と常々語るほど熱い心を持つ。
前戦は激しい定位置争いが続いているが、野沢は左サイドＭＦで確固たる地位を築いている。２６日の紅白戦でも周囲を生かすパスを出して得点機を演出するなど、攻撃の中核として存在感を示した。
司令塔として大幅に顔ぶれが変わったチームを束ね直すのが最重要課題。「誰が出ても戦えるように戦術をしっかり浸透させないと」と考える。
開幕戦まで１０日を切った今、「１年間戦う準備ができつつある。開幕が待ち遠しくて仕方がない」とはやる気持ちを抑え切れない様子。「全員がいい緊張感を持って、高みを目指したい」。背番号８がチームを末広がりの未来に導こうとしている。（金野正之）
