2015年に仙台圏で供給された新築マンションの平均価格は前年比313万7000円増の4226万9000円で、過去最高となったことが広告代理店 DGコミュニケーションズ仙台支社のまとめで分かった。建設費の高騰や供給数の少なさを背景に、好立地の物件で高価格になった。
仙台圏の供給状況は表の通り。年間の平均価格が4000万円を超えたのは1988年の調査開始以来初めて。青葉区は前年比1042万4000円増の5637万4000円。1坪(約3.3平方メートル)当たりの単価は237万円で首都圏並みの水準になった。
2番目に高かったのは太白区の4252万7000円。あすと長町地区などで需要が伸びる一方、供給戸数は前年より3割減少して価格が上昇した。前年供給がなかった泉区は3661万4000円だった。
全体の供給戸数は891戸で317戸増えたが、2年連続で1000戸を下回った。08年のリーマン・ショック前のおよそ半分の水準で、品薄感が高価格の要因になっている。
販売開始から1カ月以内の初月契約率は、前年比1.5ポイント減の85.1%。15年上半期が90.1%、下半期は80.8%で、高価格による消費者マインドの低下も見られた。
仙台支社の吉野敦支社長は「16年の供給数は1000戸程度で激増することは考えられない。価格もオリンピック需要が落ち着くまで下がりそうにない」と話した。