東日本大震災で被災した石巻市の牡鹿半島をメイン会場にした芸術と音楽、食の総合祭「リボーンアート・フェスティバル(RAF)2017」が22日に開幕した。観光関係者にとっては石巻ファンを増やす大きなチャンス。4月に発足した石巻、東松島、女川3市町の観光地域づくり推進法人(日本版DMO)「石巻圏観光推進機構」も誘客促進に乗り出した。
機構は今月上旬、3市町の観光地の写真や特集記事を発信する公式ホームページ(HP)「海街さんぽ」を開設。津波被災地の「防災まちあるき」(1000円)や北上運河でのカヌー体験(3000円)など地元の団体が取り組む体験プログラムを掲載し、観光や歴史、絶景などを集めた「スポット100選」や「お土産100選」のコーナーも設けた。
機構はRAF開催に合わせ、「縁泊」と題したホームステイ型の民泊も試験的に始める。家主との会話や郷土料理を楽しみながら交流を深めてもらい、リピーターを増やすのが狙い。
3市町を訪れる観光客へのアンケートも実施し、滞在時間や満足度などを調べて今後の観光政策に反映させるという。
RAFは、機構が4月に発足してから初めて迎える大型イベント。野外の芸術作品を中心とした総合祭で、これまで石巻圏域に関心がなかった人の来訪も予想される。石巻市は全国から約20万人の来場を見込んでいる。
機構の斉藤雄一郎業務執行理事(59)は「RAFをきっかけに訪れた観光客にも地域とつながる場を提供し、人との交流を通じてまた足を運んでもらえるような取り組みを進めていきたい」と話す。