宮城県南三陸町志津川の荒島に立つ荒嶋神社で24日、宵宮祭があった。東日本大震災を挟んで休止していた七福神舞を地元の若者が7年ぶりに復活させ、伝統芸能の継承に向けて思いを新たにした。
七福神の衣装をまとった7人が拝殿で神事を行った後、えびすは釣りざお、弁財天は鈴などの小道具を持って舞い、奉納した。
別当の久保田逸雄さん(73)は「震災があり、復活には時間がかかると思っていた。若い力のおかげでまた舞を見ることができてうれしい」と語った。
志津川の本浜地区にあった荒嶋神社は、1960年のチリ津波地震後の区画整理に伴い荒島に移った。年に1度、七福神がご神体を同地区に戻し、舞を披露しながら地域を回っていた。
その後、七福神舞は担い手が減り2010年に一時休止。翌年の津波で本浜地区は大きな被害を受け、行政区が解散した。復活を目指した30~40代の町民が今年、「南三陸五社之氏子青年会」を結成。衣装を支援で集め、小道具は手作りで用意した。
寿老人を担当した阿部文洋さん(33)は「約20年ぶりに踊った。本浜地区はなくなってしまったが、地域が一体となって受け継いでいきたい」と話した。
青年会は8月27日に同町である「三陸海の盆」に出演、七福神舞を披露する。