<三菱自>燃費、最大16%悪化 国交省の計測

三菱自動車の燃費不正問題で国土交通省は21日、燃費データが改ざんされていた軽自動車4車種の燃費について、実際にはカタログ値より最大で約16%悪 かったとする計測結果を発表した。一部の車種はエコカー減税の減税幅が見直される。一方で、4車種は保安基準を満たしていたとして、車の量産・販売に必要 な国の認証である「型式指定」は取り消さないとした。

【三菱自動車の不正の内容】

国交省は同日、燃費値の修正を指示した。三菱自はこれに応じ、不正を公表した4月20日から停止している水島製作所(岡山県倉敷市)での軽自動車生産を7月中にも再開したい考え。

三菱自は軽4車種の燃費を実際よりも良く見せるため、燃費性能の基礎データとなる「走行抵抗値」を改ざんしていた。不正発覚を受けて国交省は、4車種の 各モデルを合わせた計33台を対象に抵抗値を実測し、燃費や排ガス成分量を独自に再計測した。その結果、実際の燃費はカタログ値より約5~約16%悪く、 平均で約11%下回っていた。「eKワゴン」の最新モデルの場合、ガソリン1リットルで走行できる距離は、カタログ値の30・4キロから26・1キロに なった。

燃費性能に応じて顧客の税負担を軽減するエコカー減税も、今回の燃費修正を受けて一部は負担増となる。顧客に生じる未納分は三菱自が補償する。

石井啓一国交相は21日の閣議後記者会見で「三菱自の不正行為によるもので、大変遺憾」と述べた。【川口雅浩、内橋寿明】

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