東日本大震災の復興道路として国が整備を進める三陸沿岸道の唐桑小原木(気仙沼市)-陸前高田長部インターチェンジ(IC、陸前高田市)間3.5キロが21日、開通した。岩手、宮城両県の沿岸被災地が県境を越えてつながり、地域間連携の促進による交流人口の拡大や産業振興に期待が集まる。
唐桑小原木IC付近で式典があり、岩手県の達増拓也知事は「県境を越えた地域間の連携が進み、産業、経済の活性化や新鮮な海産物の輸送効率の向上による販路拡大が期待できる」とあいさつした。
同区間は昨年7月開通の陸前高田長部-陸前高田IC間(6.5キロ)を含む唐桑高田道路(10.0キロ)の一部で、開通区間を含めた総事業費は約687億円。
岩手県内では、釜石南-釜石両石IC間(釜石市、14.6キロ)が9日に開通。釜石市以南の三陸道が全てつながり、宮城県と結ばれた。
気仙沼市の菅原茂市長は「三陸復興国立公園内の自治体が一つになって魅力を発信し、国内外から観光客を呼び込むようにしていきたい」と話した。
国は仙台港北IC(仙台市)-八戸ジャンクション(八戸市)間を復興道路と位置付け、2020年度までの全線開通を目指している。今回で全長359キロのうち256キロが開通した。