【リマ渡辺諒】世界気象機関(WMO)は3日(日本時間4日)、今年の世界平均気温が観測史上最も高くなる可能性があると発表した。特に海面水温が高かったことから、洪水や干ばつといった異常気象が世界各地で引き起こされたという。
地球温暖化対策を話し合うためペルー・リマで開催中の国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)に合わせて発表した。WMOは「この傾向が続けば、年平均気温の上位15年のうち、14年が21世紀に集中する。温暖化は続いている」と警鐘を鳴らした。
WMOによると、今年1~10月の世界平均気温は、1961~90年の平均である14度を0.57度上回った。太平洋赤道付近のペルー沖の海面水温が高かった影響で、10月までの世界の平均海面水温が史上最高になったことが原因とみられる。WMOは「この傾向が続けば、過去最も高かった2010年を超え、史上最高になる可能性がある」と指摘した。
今年は6~9月にロシアや欧州、アジアで大雨や洪水が相次いだ一方、中国東北部や米国、ブラジルの一部では深刻な干ばつが発生した。また、北極海の海氷は9月に年間最小面積(502万平方キロ)となった。